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木の板と、羽の先の木の実がぶつかる音。 小さな公園で、私と澪は羽つきをしている。 現在、12月。 軽く部屋の掃除をしていた。流石の私も、部屋の片付け位はする。 押入に色々詰め込んでいたら、古臭い箱が見つかった。 見覚えがあるような無いようなその箱を開けたら、中身は羽子板と羽根。 眺めていたらやりたくなったもんだから、携帯電話に手を伸ばした。 「羽つきをしよう!」 『急になんだよ……っていうかまだお正月じゃないんだけど』 分かってないなー澪は。 私は、今、羽つきがしたいんだ! 「掃除してたら出てきた!やろう!」 『あのなぁ。……掃除は終わったのか?』 「澪が羽つきやってくれたら掃除の続きする!」 『…………分かった』 電話の向こうで『やれやれ』という声と共にため息。 断ってもいいだろうに律儀に付き合ってくれるのが澪のイイトコ。にへへ。 「んじゃ、すぐそこの公園集合な!」 『はいはい』 電話を切って、出かける準備。 部屋は掃除する前より凄いことになってるけど気にしない。 今は『公園で澪と羽つきをやる』これが最重要事項。 お、そうだ。……羽つきっていえば、やっぱアレは必要だよな。ふふふ。 羽子板、羽根、そしてアレを持って私は家を飛び出した。 「遅いぞ、律」 「澪が速いんだよ」 公園に着くと澪のほうが先に着いていた。 カバンから羽子板を取り出すと、澪が呟いた。 「へぇ、懐かしいなぁこれ」 「あれ。澪は見たことあったっけ」 「お前な……小学生の時にやっただろ」 「そだっけ」 言われてみれば、そんなこともあった気がする。 「たしかあの時は、私が勝って律の額にウサギのマークを……」 ……思い出した! バカとか書かれたほうがマシってくらい可愛らしい落書きをされまくったんだ。 何故、忘れていた私。あの屈辱を。 「ぃよっし!!小学生の頃の恨み、今ここで晴らしてくれる!」 「忘れてたくせに。……いいぞ、今度も私が勝つ」 「にゃにおう!……あ、もちろん負けたら墨で落書きのバツゲームな」 「えっ」 「羽つきつったらコレだろ!」 そう言いながらカバンの中から筆と墨を取り出す。 とたんに澪の顔が青ざめた。流石に持ってきてないと思ったんだろう。 残念でした!へっへーん。 「おやおやぁ?怖気付いたのかな澪ちゅわん」 「んなっ!そんなわけないだろ!……今度は額に何を書いてやろうかな!」 澪は負けず嫌いだから、煽れば簡単に引っかかるから面白い。 さぁて、準備は整った。 「いざ」 「「勝負!」」 久しぶりにやってみたけど、結構簡単にできるもんだ。 「よっと。……律、上手いな」 「澪もな!っと」 勝負とか言いながらお互いに取りやすいところへ打ち合っている。 だって、なんか打ち合うの楽しいんだもん。 このままずーっとやってたい。そんなふうに思っていた。 「隙あり!」 「あっ!澪、お前っ!」 裏切りやがったー!! 私の左斜め下を狙い綺麗に打ち付ける澪。やりやがったなコノヤロウ。 …………とどけ! 「あ」 澪が小さく呟いた。 「へっへっへ、私の勝ちだな!」 私が打ち返せると思っていなかった澪は、油断して羽子板を構えていなかった。 結果、私の打ち返した羽根は澪の足元に転がっている。 「ばぁつげぇーむ!」 「い、いやああああ!」 筆と墨を手にして叫ぶ私と、逃げようとする澪。 おやおや裏切っておいてそれはいけませんなぁ澪さんや。 「先に仕掛けてきたのは澪だろ~?」 「……わかったよ、さっさとやればいいだろ!」 澪は案外あっさりと観念して近くのベンチに座った。そういうところは潔いなと思う。 さぁ、なんて書いて差し上げましょうかねぇ。うへへ。 ニヤニヤしながら澪のいるベンチへ近寄り、向かい合う形になる。 澪は、目をぎゅっと瞑り、恥ずかしさから若干頬が赤らんでいる。 ……なんか。まるで、キスでも待ってるって顔。 澪の頤をつかみ、少し上を向かせる。 一瞬、澪はビクリと震えたけど、そのまま目は瞑ったまま。 しばらくそのままどうしようか考えていると、痺れを切らした澪が呟く。 「は、はやくしろっ」 今から落書きされるって思ってんだろうなあ。 私も最初はそのツモリだったんだけどなあ。 でもこれは絶対澪が悪いと思うんだよなあ。 うん、絶対澪が悪いな、私は悪くない。 結局、澪の顔に落書きがされることはなかった。 代わりに、私の頬に真っ赤なモミジ。おーいてぇ。いいじゃんちょっとくらいさぁ。 「外ではダメってアレほどっ!」 「だって澪ちゅわんが早くしろってオネダリするからぁ」 「なっ!ちがっ!ばか!!」 おわる。 ヒューヒュー -- アクティブ (2012-03-06 04 57 16) 名前 コメント
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投稿日:2010/11/23(火) 11 23 17 律「みおーお昼ごはん何食べたい?」 澪「律がつくってくれるならなんでもいい」 律「何でもいいが一番困るんだよなあ」 澪「でも…」 律「ん?」 澪「デザートは…パイナップルで…」 律「おっお昼ごはんつくってくる////」 11月23日いい夫妻の日11 23秋山家のそんなひと時 澪「りーつ」 律「わっなんだよ澪!今料理してんだから邪魔するな」 澪「えい」 律「わっカチューシャとるな!料理しづらいだろ!」 澪「いーからいーから。ほらパイナップル~」 律「人の髪で遊ぶな~」 澪「いいだろ。律だっていつも私の髪で遊ぶじゃないか」 律「そっそれは澪の髪が大好きだから…」 澪「ありがとところで律、さっき、デザートで勘違いしただろ?」 律「えっ」 澪「こないだもらったパイン缶のこといったんだけどな~」 律「むー」 澪「むっつりつ~」 律「…澪のカレーだけ激辛にしてやる」 澪「えっごめん律、許して」 律「しらーん」 澪「ほんとうはさっきの勘違いじゃなかったりして」 律「/////////」 11月23日11時澪分秋山家台所でのそんなひととき 澪「あのー律さん?」 律「なんでしょうか澪さん」 澪「なんで私のカレーだけ色が違うんでしょうか?」 律「秋山律特製カレーだからな」 澪「ルーが真っ赤なんですけど…」 律「りっちゃん特製スパイス入りだからな。澪への燃える愛情のごとく!」 澪「普通でいいです。替えてもらえませんか?」 律「えっ…みお…私のカレー食べてくれないの…?」 澪「くっ、卑怯だぞ律」 律「聞こえませーん」 澪「食べればいいんだろ!食べれば!…ぱくっ…あれ?普通においしい…」 律「だろー。私が澪にそんな意地悪するわけないじゃん」 澪「いつもするだろ」 律「さっ、それ食べたらでかけようぜ」 澪「ごまかすな。まったく。で?どこ行くんだ?」 律「まずは楽器屋だな。それからゲーセン行こうぜ」 澪「変わりばえしないな。」 律「いーじゃんいーじゃん。安上がりだし、楽しいだろ」 澪「お前と一緒だからな。ついでに帰りに夕飯の買い物もするか」 律「もー澪しゃんたら。まだお昼ごはん食べてるとこなのにもう夕飯の 話なんて、食べることばっかり。そんなんだから体じ」 ガツン 澪「いーからさっさと食べて出かけるぞ!」 律「…はい」 11月23日毎日がいい夫妻の日の秋山家でのそんなひととき それではみなさんもよいいい夫妻の日をお過ごしください。 名前 コメント
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投稿日:2010/09/26(日) 23 44 03 澪はああ見えて甘えるということをしない。 いや、一見するとクールな彼女だから甘えるという行為は似合わない気もするが 実際は怖がりだし気の弱いとこがあって、そんな中身を知っているからこそ意外に思えるのだ。 それは恋人同士であってもかわらない。 澪は私に甘えてこないし、だいたい私から澪にくっついていくのがパターン化している。 私はというと(自分で言うのもなんだが)人懐っこいしスキンシップも多いほうだ。 もともと甘え上手なのかもしれないが、 こと澪に関しては、風邪を引いて迷惑をかけた一件以来素直に気持ちを伝えられるようになった。 たいして澪は、私が手を握ったら握り返す、私が抱き締めたら同じように腕を回してくれるくせに 自分から抱き締めてくれたことはない。 それがなんだか面白くなくて、なので最近は一緒にいても余計にモヤモヤするばかりだ。 それでも今日も結局一緒にいるんだけど。 澪はベッドを背もたれに、なにやら熱心に雑誌を読んでいる。 私はそんな澪をベッドの上から観察していたけれど、澪はそれに気付いていないようだ。 真剣な後ろ頭がかわいいぞー澪ー。 しかしいつまでも構ってくれないのは悔しいので、ポンポンと澪の後頭部を軽く撫でてみた。 「なんだよぉ」 澪が雑誌を閉じてこちらを向く。 さて、モヤモヤを晴らすには本人に直接ぶつけてしまうのが一番だろう。 「澪しゃんに話がある!」 「そんな大声出さなくても聞こえるよ…」 これは自分に言い聞かせてるのだよ、澪しゃん。こんな話、改めてするのは恥ずかしいんだから。 「まあまあ、ちょっとここに座りなさい」 そう言って私の隣に座るよううながす。 澪はハイハイと私の態度にも慣れた調子で返事をしながらベッドに座った。 「で、話ってなんだ?」 「え、いや~澪ってさ…」 「?なんだよ」 「いや、澪ってさ、甘えてこないよなって」 澪は露骨に何言ってんだこいつって表情を浮かべる。 こっちは真剣に悩んでいるというのに。 「なんか手ぇ繋ぐのも、くっつくのも、いつも私からだし…」 「澪から甘えてきたことってないなって思ってさ」 私はそれだけ言うと澪からの返事を待った。 しばらくの沈黙のあと、澪は口を開いた。 「…でも律が抱きついてきたら私だって応えてるし」 「そうじゃなくて、私は澪から甘えてきてほしいの!」 「えー」 澪は困ったように眉を八の字に下げて、笑った。 このモヤモヤの原因は、私ばかりが澪を求めているように感じることにあるのだ。 本当は、澪は私を必要としていないんじゃないかという不安感。 「私は、律が甘えてきてくれるだけで嬉しいよ」 澪が言う。 そうじゃない。私はただ純粋に澪が私を求めてくれているという明確な形がほしい。 「ねえ。澪はさ、私といて甘えたいなーって思うこと、ないの?」 「ぅ、ないことはないけど…」 言葉を濁す澪に更に自分の気持ちを吐露する。 「なんか私ばっかりが好きみたいでさ、空回ってるみたいじゃん」 言いたいこと言ってしまうと幾分心が軽くなった。 澪は私の言葉を聞いて、返事に困っているようだ。 「私だって律のこと、…だ、抱き締めたいって思うこと…あるよ」 俯いて澪が言う。 思わず「じゃあ抱き締めてよ」と言いそうになったが、さすがに恥ずかしい台詞すぎたのでやめた。 「じゃーなんで」 「だ、だって恥ずかしいし!」 抱きつくのが恥ずかしいなら私はどうすりゃいいんだ。 こうなったら私だって恥ずかしいが言うしかない。 「だーかーらー!わっ私だって澪にぎゅーってされたいんだってば」 布団をバシバシ叩きながら言う。もう私の顔は赤くなってるんだろう。 私の言葉にぱっと顔を上げた澪の表情は意外なものだった。 「…あに笑ってんだよ」 「フフッ、だって可愛いなあって」 澪は緩んだ頬を手で押さえているが全然隠しきれていない。 今度はこっちが俯く番になってしまった。 澪の顔を見れなくてただ布団を見つめているとベッドのスプリングがギシリと鳴った。 ふわりと澪の匂いがした。 ギュっと腕に圧力が掛かって、澪の温もりを感じてやっと抱き締められたんだと気付く。 「…不安にさせてごめんな」 耳元でボソボソ喋るもんだから、やたらと澪の声が艶っぽく感じる。 抱き合っていると言い表わしようのない幸福感に満たされた。 胸の奧が熱くなって私からも澪の背中に腕を伸ばした。 「抱きつくのって、すっげー気持ち良いっしょ?」 「うん…意外と恥ずかしくないな」 澪がフフと息を漏らす。 またぎゅうっと抱きしめられたので、もう澪に体重を預けることにした。 澪の胸に頭を押しつけるようにしてくっつく。結局、私が澪に甘えてるような形になってしまった。 でも今日は澪からだったからいいやって事にしとこう。 「ねえ、律」 「んー?」 「…好きだよ」 !?素直に行動すると、色々と大胆になるのだろうか。 とりあえず今は甘んじてこの状況を満喫しよう。 おわり 名前 コメント
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今年も、もう終わりか。 今年も唯の家で、皆でコタツに入ってトランプをしていた。 梓とムギと唯はうさ耳を付けていて、私と澪は何も付けていない。 こんないつも通り、例年通りのことが今日も起こっている。 そして、ババ抜きだ。 毎年カウントダウンまでのこの数時間は、トランプをしている私たち。 大富豪、七並べ、神経衰弱。さまざまな遊びをした。 結局残りの三十分、最終決戦はババ抜きとなったのだ。 「うわっ、またババだあー!」 「唯先輩そういうのは言ったらダメですよ」 「へっ? なんで?」 「ポーカーフェイスって言ってね、表情を崩さないのよ。 そうすれば、次の人はあんまり危機感を感じないでしょう?」 「つまり、ムギちゃんが急に顔を怖くさせたらババがあるってこと? で、澪ちゃんは気をつけなきゃいけなくなるよね」 「そう。そういう風に相手にばれちゃうから、言ったり表情に出したらダメなの」 「なるほどねー」 ちなみに順番は、唯→梓→ムギ→澪→私→唯…と続いていく。 さっきまで私はババを持っていたのだけど、唯がさらっていった。 私はポーカーフェイスだとしても、笑ってしまった。 で。 ババ抜きは続いて。 私と澪が残った。 ■ 時刻は二十三時五十分。 私と澪は、お互いに睨み合う。 「律……今年もあと十分しかないからな。さっさと終わらせようか」 「私を舐めるなよ。ババ抜きの達人とは私のことだ」 「捏造するな。じゃ、私からだな」 実は、私はババを持っていない。ということはババは澪が持っている。 澪はこういう局面だと滅多に表情は崩さない。 緊張すると慌てる澪だけど、いかんせん今澪は追い詰められている。 なぜなら。 負けたらうさ耳の刑だからだ。 ちなみに梓とムギと唯が全員それを付けているのは、負けたからである。 神経衰弱は唯が、大富豪はムギが、七並べは梓がそれぞれ負けた。 つまりここまでずっと私と澪は勝ち続けてきたのである。 昔からこういうトランプは二人でよくやったもんだしなあ。 だから澪はうさ耳を付けたくない一身でやっている。 つまりリスクがあるので追い詰められているから強いのだ。 くっそー、簡単に表情を崩さないし視線も泳がない。 しばらく一進一退だった。 私がババを引く。澪がにやける。私は背中の後ろで混ぜて澪に向ける。 澪が今度はババを引く。私がにやける。澪は背中で以下略。 こんな風にババを引いては戻ったり、ババじゃなくとも数字が揃わなかったり。 そのままずっとやっていた。おい、時間がねえぞ。 「なかなか決まりませんね……ふああ」 「二人ともトランプ強かったもんねー……ふああ」 「さすがりっちゃんと澪ちゃんね――ふああ」 三人がそう漏らした。だって澪強いんだし。 澪が表情を崩すのは、私がババを引いた時の勝ち誇った顔のみ。 それ以外は、ずっとどこを見ているのかわからないという感じだ。 どうにかして、澪の表情を崩せないかなあ。 ――澪の表情か。 表情を崩すのは、澪が集中を切らさなきゃダメだ。 その方法は、私が一番よく知っていた。 「澪ー」 「なんだよ」 「好きだよ、澪」 「ぶっ!」 澪が吹いた。 そして震えながら下を向いてしまう。 よしきた。さっきまでかなり集中していた澪を崩したぞ。 これで少しは表情が変わりやすくなったり、綻びが出るかも! 澪はトランプを持っていない方の手で口元押さえて顔を上げた。 顔はもうこれ以上ないというくらい真っ赤であった。 「ば、馬鹿……お、お前は、突然、な――」 「だってー、言いたかったんだしー」 「は、早く引けよ馬鹿律……!」 「へいへい」 きた! 今、澪は微かに一番左端を見た。ほんの一瞬だけど見逃さなかったぞ。 私はかなりの自信を持って、左端ではないカードを引き抜いた。 よし、ダイヤの3! これで! あと一枚になった。 つまり、これを澪が引けば――。 澪は、真っ赤な顔で悔しそうに、それを引いた。 「あっがりー!」 「あ、お前! さっきの、私の集中を切らすためだったんだな!?」 「へへっ、私の方が一枚上手だったなー」 「ず、ずるいぞ律。あ、あんなの卑怯だろ……」 「澪の集中切らす言葉なんていくらでも知ってんだよ」 勝ったー! 別に罰ゲームが怖いとか、そういうのはなかった。 ただ漠然と澪に勝ちたいなーって気持ちがあったからスッキリした。 うーん、と背伸びする。澪はがっくり項垂れている。 横で付けっぱなしのテレビでカウントダウンが始まっていた。 「おっ、いよいよだな」 振り向くと、唯と梓、ムギの三人は思いっきり寝ていた。 「ってまた寝てるし!」 私と澪の戦いに途中から何も口出ししないので、予想はできてたけど。 でも、やっぱりいざって時にこうやってのんびりなのが軽音部らしいかな。 私は寝ている三人を見つめながら、笑った。 視線を戻す。 横で下を向いている澪。 ちょっと卑怯すぎたかなやっぱり……。 私は澪の肩に触れて、やれやれと思いつつ声をかけた。 「澪ー、悪かったって。ほら、もう来年になっ――」 言葉を言い終える前に、澪が私に抱きついた。 勢いがついていて、私は思いっきり後ろに倒され、背中を打つ。 これは、押し倒された、のか? 倒れて上を向いている私。四つんばいで見下ろす澪。 その表情は、不服そうだけど、まだ真っ赤に染まっていた。 微妙に、泣いているようにも見えた。 「――律」 「……な、なんだよ」 「さっきの言葉……私の集中を切らすためだけの言葉、なのか?」 『好きだよ、澪』 「――」 澪が私の言葉で驚いたり、恥ずかしがったり、照れてくれたり。 そんな風な反応をしてくれる言葉なんて、限られてるから。 「そのためだけ、なわけないだろ」 私は右手で澪の頬に触れた。 熱かった。 「ずるい……好きだ、なんて言われたら、どうしたって律には勝てない」 「それを知ってて言ったんだよ。私に好きって言われたら――。 私がそう言えば、澪は簡単に恥ずかしがって痺れちゃうんだからさ」 今までだってそうだった。 想いを伝えれば。好きだといえば、愛してるといえば。 澪は簡単に顔を真っ赤にさせて、何も言えなくなって、照れて。 「律が――律が悪いんだからな」 「ああ……悪かったよ」 「好きだよ、律」 「もう何回も言われてるから、そうそう照れないぞ私は」 「馬鹿律……」 澪は笑った。 そして、そのままキスをする。 舌を絡ませ始めたのと同時に、テレビが叫んだ。 『あけましておめでとうございまーす!』 ■ 行為を終えたら、一時半だった。 二人で声を上げまくったり喘ぎまくったりしてしまった……。 というか澪がまさかあそこまで暴走するなんて。 よく三人が起きなかったもんだ。 「ったく、澪激しすぎだろ」 「律が悪いんだぞ。あんなこと言ってその気にさせたから」 「……でも、まあ、いっか」 私と澪はしっかり服を着て、コタツに入る。 ほかの三人の寝息。起こさないようにしなきゃな。 唯と梓とムギが、寄り添って寝ていた。 「……」 「律?」 いいよな。別に。 「澪」 まだ火照ったように顔が赤い澪。 私もドキドキしながら、告げた。 「その……い、一緒に、寝ないか?」 澪は、キョトンとする。 でもさっきよりは冷静に、笑った。 「いいよ。律は甘えん坊だな」 「う、うるせ」 澪は自分のところから一旦出ると、私の隣に入った。 コタツの布団は少しだけ短いけど、十分暖かかった。 私たちは寄り添うように寝転んで、見つめ合う。 「あけましておめでとう、澪」 「あけましておめでとう、律」 もう一回だけ、キスをして。 新しい一年を祝った。 「今年もよろしく」――! ホントに寝てたのか? 約一名鼻血だしてなかったか? お二人さんよ。 -- 名無しさん (2012-07-18 23 26 03) 出してたと思うよ〜絶対っ -- 名無しさん (2012-07-19 11 11 54) 名前 コメント
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唯「あーずにゃんっ!」ダキッ 梓「ゆ、唯先輩!」 紬「うふふ」 律「今日も絶好調だな…」 放課後のいつもの光景だ。 ムギの煎れてくれたお茶とお菓子を囲んで、時折唯が梓に抱き着いている。 うん、いつもと違うところといえば珍しく職員室に呼び出された澪がまだ来ていないことぐらいかな。 それにして唯、今日はやたら梓にベタベタだな。 …澪がいなくて止める人がいないからか? まぁ梓も嫌な顔してないし、むしろ…。 紬「りっちゃん、どうかした?」 律「…え、何が?」 紬「ぼーっとしてたから」 唯「あ、分かったよ!澪ちゃんがいなくて寂しいんだね!」 律「残念、唯が今日はやたらと梓にくっついてるなーって思ってただけだ」 梓「見てたんなら助けて下さい!」 律「ごめんな梓。あんなに嬉しそうな顔見せられたら、止めるに止められなくて…」 梓「ちょっ…」 唯「あずにゃん!」ダキッ 梓「唯先輩、もういい加減に…」 唯「抱き着いて欲しいならそう言ってくれればいいのに」ギュ- 梓「違っ…!」 律「…わないな、あの顔は」 紬「梓ちゃん本当に幸せそう」ポワポワ 唯「う~んふふふ~♪」スリスリ 梓「ふわぁぁ…」ポーッ 紬「…陥落ね!」 唯「えへへへ~」 律「…なるほど」ボソッ 紬「? りっちゃん何か言った?」 律「え?ああ、何でも…」 紬「そう?」 ガチャッ 澪「悪い、遅れた」 律「…ん。よしじゃあ始めるか!」 澪「どうせティータイ…」 律「練習をな!」 澪「なんでだよ!!」ゴチン 律「なんでだよ!?」 澪「あ…ごめん」 ――――― ――――― ~帰り道~ 律「………」ムスーッ 澪「り、律、悪かったって…」 律「…誠意がない」 澪「誠意って…だいたいあれは普段お前が不真面目なせいでもあるんだからな。身から出た錆だ…よ?」 律「…ほらみろ謝る気なんてさらさら」 澪「だ、だからそれとこれとは!」 律「ふんっ…」 澪「…悪かったよ律、ごめん」 律「………」 澪「りつー…」 律「……!」ハッ 練習しようと言っただけで(思いっきり)叩かれて不機嫌な私。 そんな私に謝り続ける澪。 そして今私は気づいたんだ。 …もしかしてこの状況、とっても美味しい? うん、今なら澪はなんでも言うことを聞いてくれそうな気がする。 チャンス、チャンスですよ奥さん。 でもそうだな、何をしようかな。 澪「なぁ律…」 律「…分かったよ、許してあげよう」 澪「あ、ありが」 律「ただし!」 澪「えっ」 律「…まぁお楽しみは澪の部屋でな。今から行って大丈夫だよな?」 澪「う…いい、けど…」 …まぁ澪の家に着くまでには何か考えつくだろ。 それにしても楽しみだないいなり澪しゃん♪ ――――― ――――― 律「着いた!けど…」 澪「うん?」 …やばい、なんにも思いつかなかった。 こんなチャンスめったにないのに…くそ、回れ私のブレイン! 澪「律?それで…えっとどうすれば許してくれるんだ?」 律「えっとだな…あ」 閃いた。 いい機会だから澪の本音をさぐってみよう。 方法はもちろん、部室で二人のやりとりに学んだあれで…。 律「…そうだな、とりあえず私がいいって言うまでじっとしていてもらおうか」 澪「え。変なことするなよ…?」 律「しないよ?…多分」 澪「多分ってお前…!」 律「ほ~らじっとしてまちょうね~」 澪「わ、分かったよ…」 律「まずは…こうだ!」 澪の後ろにまわりこみ、ぎゅっと抱きしめてみる。 澪「り、律!?」 律「はいはい動いちゃいけないよー」ギュー 澪「うぅ…」 そのまま横から顔を覗きこんでみる。 …あ、耳まで真っ赤だ。 ぎゅっと目をつむっているのは恥ずかしいからか? 嫌だから…じゃないよね? …あ、嫌な顔みれば分かるか。 律「ちょっとごめん」サワッ お腹の肉…はダメだ、私の明日がなくなる。 ということで胸を少しさわってみる。 これで多分嫌な顔するは…ず? あれ、さっきとあまり変わってない…。 律「………」 澪「へ、変なことするなって…」 それってもしかして…。 澪「なぁ、もういいか?」 律「…あ、あぁ」 澪「………」 律「…なぁ、澪って私のこと」 実はそんなに好きじゃない? むしろ、 澪「なんだよ?」 律「嫌い?」 澪「え?なんでそんなこと…」 律「あ、はは、ごめん、ごめんな」 澪「…律?」 律「今まで気づけなくてごめんな…」ジワッ 澪「……!」 律「じゃあ私帰るから…」 澪「待って!」 澪の気持ちを知った以上、もうここにはいられない。 そう思って駆け出した私。 それを…なんで? 澪が抱き留めている。 律「…離してよ」 澪「だめ」 律「なんで…」 澪「こっちが聞きたいよ。なんで泣いてるんだよ律…」 律「な、泣いてなんか…」 澪「うそつけ。大体、なんで急に嫌いとか…全部話してもらわなきゃ」 律「………」 澪「律が話してくれるまでずっと離してやんないからな」 律「………」 澪「…律」 律「…分かったよ」 律「かくかくしかじか、という訳だ」 澪「なるほど、 部室で唯が梓に抱き着いていた。 梓は嫌がってるようなことを口にしていたけど本音が見事に顔にあらわれてて、それを見ていた律は気づいた。 そう、表情っていうのは隠し切れるものじゃないってことに。 そんなおり、ちょうど私が律に理由なき一撃を加えた。 律は拗ね、そこで弱みを見せた私につけこもうとした。 でもどんなことをしようかまでは考えつかなかった律は、ちょうど部室での出来事を思い出し、それを使って私の本音をさぐろうとした。 それでとりあえず抱き着いてみて私の反応をまじまじと観察したがいまいちよくわからない。 だから今度は私が絶対嫌がりそうなことをして反応をみて、律が私に抱き着いた時の反応が嫌がった時のものじゃないことを確認しようとした。 けどほとんど変化がなかった。 そこで律は思った。 私は好かれてなんかいない、むしろ嫌われているのではないか、と。 それで今までこのことに気づかなかった自分の鈍さ、そして今ここで私に不快感を与えている自分に心底嫌気がさしてさらに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。 結果律は涙目になりながらも謝りながら逃げ出そうとして私に抱き留められた。 という訳か」 律「…ああ」 澪「そうか…」 律「………」 律(なんで繰り返した?) 澪「ばかりつ…」ギュッ 律「…!」 律「…離してくれていいよ。気を遣わないでくれ」 澪「いやだ」 律「なんでだよ…」 澪「離したくないからな、…私の大好きな律だから」 律「嘘は…」 澪「嘘じゃない」 律「じゃあなんでさっき嫌な顔…」 澪「…嫌な顔なんてしてないよ」 律「だって胸さわってみた時と同じ反応…」 澪「あ、あれは…その…」 律「やっぱり嫌だったん」 澪「違う!すっごく緊張してたから!」 律「緊張…?なんで」 澪「あ…とにかく!私は律のこと嫌ってなんかいないし、むしろ大好きだから!」 律「…!」トクン 澪「だからな、律」 律「…そういうことなのか…?」 澪「…ん? 律?」 律「…なんとなく分かった。そんでもって、気づいちゃったよ」 澪「何が…?」 律「澪が言おうとしなかった、緊張の理由」 澪「…!」カァァァ 律「…また真っ赤になってるぞ?」 澪「う、うるさい…」 律「…あと自分の気持ち」ボソッ 澪「え?」 律「なぁ澪、確かめてみてもいい?」 澪「り、つ…?」 律「こんな…感じでさ…」スッ 澪「あ、」 律「違うかな…?」 澪「違…わない」 律「じゃあ…」 澪「う、うん…」 律「私、初めてなんだからな…」 澪「私も…初めて」 律「…ん」 澪「…好きだよ、律…大好き…」 律「大好き、澪…」 ――大好きな人とのキスって、幸せ。 ――――― ――――― ~数週間後~ 律「さぁーって全員揃ったことだし!」 澪「練しゅ」 律「お茶にするか!」 澪「なんでだよ!!」ゴチン 律「ふぁっ…」ビクン 澪「しまっ…!」 ガタン 澪律「!!!」 紬「」ハァ…ハァ… おわり。 名前 コメント
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投稿日:2010/09/16(木) 23 29 21 「澪、キス、しようよ」 「!……い、いやだ…」 「えーなんでだよぉ!なんだかんだで私達付き合ってから一回もしてないじゃん!」 「だだだって…無理だよ…恥ずかしい…」 「ちぇっ、澪の意気地なし」 「うるさいばか律!わ、わたしはプラトニックな関係を築こうとだな…」 といった感じに私と澪は高校生2年生になって晴れて恋人同士となったんだけど、一度もキスをしていない。それどころか手を繋ぐことすらも。もう1年たつんだぜ? 私からアプローチをかけてもいつも拒否されちゃって…ピュアな澪の性格から考えると仕方ないかと思うんだけれど、私も女の子なのだ。こう何度も拒否されると心にくるものがあるなぁ…うぅ。 でもこんな関係も悪くないと思ってしまう自分もいる。もちろん拒否されるたびに胸は痛くなるんだけれどもその後、他愛も無い話をして、一緒にお菓子を食べたり、学校の帰り道で一緒に歩いたり、それだけでも私はすごく幸せだ。 澪が隣りにいてくれるなら、こんな胸の痛みくらいへっちゃら…だろ… 「じゃあ今日はもう寝るか…おやすみ、澪」 「…あぁ…おやすみ、律」 そう言って電気を消し、私はベッドに寝転んだ。澪は床に来客用の布団を敷いて寝ている。…これも恋人同士の距離じゃないよなぁなんて思いながら。澪に聞こえないようにぼそりと呟いてみる。 愛してるよ 返事は返ってこない。まぁ聞かれてたら、澪は真っ赤になって殴りかかってくるだろうから、聞こえてないほうがいいんだけど。 なんて思うと、胸の奥のほうがひやりと冷たくなった。 あぁ、寒い… 数日後、いつも通りに部室に入るとムギが一人で椅子に座っていた。 紬「唯ちゃんと梓ちゃんは今トイレにいってるのよ」 ほう、連れションか。 なんて言ったら澪に怒られそうだななんて思いながら 「澪は?」 「職員室じゃないかしら?さっきさわ子先生に呼ばれてたから…」 あちゃあ、私が一番遅く来たのか。 やっぱあの課題やっとくんだったなぁ。澪に手伝ってもらえばよかった。 「そっか。じゃあみんな揃うまで待ってようか」 と言いつつ自分の席に着く。 ムギも軽く頷くと、お茶を入れてくれるのだろう、立ち上がって準備を始めた。 ふと前を見る。誰もいなくてすごく寂しい感じがした。というか澪がいないからだ。 (…さっきから、澪のことばっか考えてるな私) 私もピュア属性なのかな。澪のこと言えないな。なんて考えていると目の前に紅茶が置かれた。 「ありがと」 ムギは微笑むと今度はお菓子を出し始めた。 今日はロールケーキか。 確か澪は今ダイエット中だったから今日は食べないかもな。 …あーまただ。なんとしても澪が出てきちまう。ったく、いないときくらいいなくなっとけってんだ。 じゃないと寂しいだろ。 30分くらいたっただろうか、いまだムギと2人でお茶を飲んでる。 やばいもう3杯目だ。さすがムギの紅茶。喉が進むぜ。味わってない証拠か… 「遅いね…」 「全く…唯と梓なんていつまでトイレ行ってるんだ?まぁ大方唯がなんかしてるんだろうけれど…」 と言ってムギを見るとキョトンとした顔でこっちを見ていた。 え?なんか変なこと言ったかな…? 「りっちゃん知らないの?」 「へ?何を?」 「唯ちゃんと梓ちゃん付き合ってるのよ」 紅茶の味が吹っ飛んだ。というか吹いた。 えぇぇぇぇぇぇぇうそぉぉぉぉぉぉ!? 「わ、私知らないぞそんなこと!!」 「私だって最近知ったのよ?もう半年前にはもう恋仲だったんだってー♪」 とムギは嬉しそうに言う。うっとりと。まったりと。 なんじゃそりゃ…聞いてないぞ…唯のほうはわからんでもないけど、梓は唯のことむしろ嫌いだと思ってたんだけどなぁ…いや、偏見だったな。 …と、いうことはだ…今、唯と梓は…まさか 「乳繰りあってるわね」 「お前が言うな!すごく卑猥に聞こえるぞ!」 乳繰りあってることはないだろうけど…まぁいちゃいちゃしてんだろうなぁ。 でも梓が唯に甘えてる姿なんて想像できないなぁ… いや、逆なら簡単だけどね。 「澪ちゃんも知ってるはずよ」 「なんで私には教えてくれなかったんだろ…」 「りっちゃんは口が軽いからって」 「唯も似たようなもんだろ…」 「梓ちゃんが」 中野ォ!! …けどなんか新鮮だなぁ。いままでそういう話はあんまりなかったからな。女子高だし。 「…で、どこまでいったんだ?」 少し。ほんの少し参考にさせてもらおうと私はムギににじり寄った。 聞く相手間違えてるかもしれないけれど、さすがに面と向かって聞くことはできなかった。 「もうキスはしちゃったって言ってたよ?」 ガッデム。 先越されてるよ…見かけによらずお盛んだなぁ… 私達が遅すぎるだけなのかもしれないけど、まぁ、それはそれで。 「…もしかしてりっちゃんはまだしてないの?澪ちゃんと」 へこんでいる私を見てムギは言う。察しがいいが、察してくれ… 「ん…まぁ…澪が恥ずかしがってさ…なかなか先に進めず…」 ちなみに私と澪の関係は周知の事実。 ムギは特によく相談に乗ってもらっていた。 …そういえば告白したのも私からっだったなぁ… 「まぁそういうとこがまた可愛いっていうやつだ!うん」 「…そう」 とムギはなんだか真剣な顔つきなった。 特徴的な眉毛も少し釣り上がっている。 え?今度はなんだ?怒らせちゃったかな? 「じゃありっちゃんファーストキスもまだってこと?」 「…そう、なるな…」 改めて自分で言うととても惨めに思えた。 なんだか自分がとても子どもに思えてきてまた胸の奥が疼きだした。くそ、止まれよ。 と、ムギは不意に立ち上がり私の隣…唯の席に座った。 何事?と私が不思議に思っていると、ムギは言った。 「じゃあ私とキスしてみない?」 「……………は?」 意味が、わからん、ぞ? 私と?なんでムギがそんなこと 「深い意味は無いよ?ただお互い初めてだとぎくしゃくしちゃうんじゃない?」 んなこたぁ知らん! 「今のうちに練習しておいたほうが、澪ちゃんを安心させやすくなるんじゃない?」 と。ムギは私の肩に手を置いた。 なんだこの状況。まずい。てかムギ力強ぇ!むしろいてぇ! 「ちょっ…ムギ!?冗談だろ!?」 「冗談よ。だからするの。軽い気持ちでね」 「そんな…わ、私には澪が…っ」 「大丈夫よ。みんなには黙っとくし、秘密にすればばれないわよ。それに」 澪ちゃんが悪いんだしね そう言ってムギは顔を近づけてきた。 近くで見るととても整った顔立ちをしている。まさにお嬢様といったところだ。今から触れられようとされている柔らかそうな唇も、きっと触れたらとても心地よいのかもしれない。 練習…そうかもな。今のうちに経験しといたほうが、かえってこっちが焦ることもなくなるだろうし、澪をリードさせてあげられるかもしれない。 そう、澪のためになるかもしれない。 だから私は だから私は拒むべきだと思った。 だって、今こんな状況でも、やっぱりわたしは澪のことを考えちゃってるんだから。 ピュア属性。やっかいだな。 そして私はムギから離れようとムギの両肩に手を置き思いっきり突き飛ばそうと 「りつ!!!!」 して。一番この光景を見られたくない人に見られてしまった。 澪が目の前に立っていた。何で気づかなかったのか。 「…澪!?」 ムギも驚いてばっと私から離れる。 澪は、怒った顔をしていた。最近はあんまり見なくなった本気の怒り顔。 でも今までと違ったのは、これでもかというほど大量の涙を流していたことだった。 胸の奥がまた疼いた。今までで一番痛かった。 短い沈黙。澪の嗚咽が小さく響く。 10秒くらいだっただろうか、しかしとても長く感じられた。 「…嫌だよ…律…」 澪が、涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて、消え入りそうな声でしゃべっている。 「…ほかの人と、キスなんかしないでよ…だめ…律の…うぅ…恋人は私なんだから…ぇ ぐ…嫌だよぉ…私から…離れないで…!」 そう言って澪はその場に座り込んでしまった。 澪を泣かせてしまった。馬鹿か私は。 また胸の奥が疼く。さっきより大きい。 「…ごめんムギ…席外してくれ…唯と梓には、今日は部活休みだって…そう伝えてくれ」 私の言葉にムギは少し戸惑ったようだけれど、 何も言わずに部室から出ていってくれた。 扉の前で一度振り返ったけど、やはり何も言わず退室した。 すまんムギ。明日なんかおごる。 よし。私は意を決して澪に近づき 抱きしめた。初ハグ達成。やったね。 澪は一瞬まごついたが、すぐに顔を伏せた。 「澪、キスなんてしてないよ」 「…でも、ひっく…しようとしてた…」 「…ごめんな…澪。ごめん」 今度は1時間くらいたっただろうか。澪が泣きやんだ。 「…落ち着いたか?」 無言。っかぁ…まだ駄目か。しょうがない。もう少し待って… 「りつは」 と突然口を開く澪。まだ声は涙が交じっているようだった。 「うん?」 「私とキスしたいの?」 「…うん」 そう答えるとまた澪は目に涙が溜まり始めた。 「子供だよな…律はいつも私に言ってくれてたのに…」 「…いいんだよ。そんな澪が私は好きなんだから」 「うん、だから、決心ついた。」 「ん?なんの?」 「勝手なこと言うけど…私、律がファーストキス他の人にとられるのやだ。私のだって律以外にあげたくない。だから」 「キスして。律」 あの澪が、言った。 キスをして。なんて。 あの澪がだぜ? 肩組んだだけで引っ叩かれたのに。 ってかファーストキスのくだりから聞いていたのかよ。恥ずかしいな。 うれしくて、しょうがない。 澪は顔を真っ赤にして私を見つめている。 眼に残った涙のせいかとても色っぽく見える。 がんばって、勇気を振り絞ってくれたこの言葉。 返す言葉は、ひとつだった。 「嫌だ」 澪の眼が大きく見開かれた。 あ、泣く。やばい。 その前に言わなければ。 「澪からしてほしいな」 「え…?」 「今までおあずけにされたお返し」 「……………」 澪がまた顔を伏せた。 う-ん。 やっぱりまだそれは無理か。 つい意地悪言っちゃったな。 「はは、冗談だよ。じゃあ私から…」 澪の唇が私のに触れる瞬間だった。 どれくらいだったか今度は覚えてない。 短かったのか長かったかすら。 そのくらい澪の唇は甘美だった。 そして、澪が離れる。 そして赤くなった顔に涙を浮かべて、言う。 「律 大好き」 胸の疼きはいつの間にか消えていた。 りっちゃんがイケメンすぐる -- 名無しさん (2010-12-30 17 32 51) うはぁぁ!! -- 名無しさん (2011-07-31 10 52 15) 紬「作戦通りね」 -- 涙 (2011-11-27 05 29 03) 名前 コメント
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投稿日:2010/11/18(木) 22 56 37 澪(人を素直にさせる薬、か…) 澪(ムギ曰く、副作用はなし。勢いに負けて貰っちゃったけどどうしよう…?) 律「澪、みーお!」 澪「…ん?」 律「どうしたんだよ。朝からぼーっとするなんてらしくないぞ?」 澪「あ…ちょっと考え事してて(今日も私の律はかわいいなぁ)」 律「ふーん?悩み事なら相談しろよー?」 澪「うん、ありが…(いや、ちょっと待て)」 澪「…律、なら早速いいかな?(これを使えば律の本当の気持ちを…)」 律「んー?」 澪「実はダイエット中でさ、飴を貰ったんだけどどうしようか迷ってたんだ。私の代わりに食べてくれないか?」 律「…それだけ?」 澪「…ダメかな?」 律「ん。いいよ」 澪「はい、じゃあ口開けて」 律「あーん。…ん、なんか変な味」 澪「健康にいい成分入れてるらしいからな。一気に飲み込んだ方がいいかも」 律「ん…んん」コクン 澪「ふふ…ありがとう律。今日は時間ゆっくりあるからのんびり歩こうか(効果が出るまで約5分、だったよな)」 5分後 澪「あ、そうだ律(そろそろだよな…)」 律「うん?」 澪「律って唯と仲良いよな。やっぱり一緒に居て楽しいか?」 律「うん、唯ちゃんといるとすっごく楽しいよ!」 澪「そっか(喋り方、呼び名まで変わった?…薬の効果だとしたら律は普段から…)」 澪「なぁ律、普段の喋り方と違うけど本当は普段からそうしたいのか?」 律「うん。でもね、喋り方変えないと頼りなく見えちゃうから。私ただでさえ体も小さいし」 澪「なんで?頼りないといけないのか?」 律「だってそうしないと澪ちゃんをしっかり支えてあげられないと思ったから」 澪「り、りつ…」ジーン 律「澪ちゃん泣いてるの…?大丈夫?」 澪「大丈夫だよ律、ありがとう…。それより普段からその喋り方の方がかわいいよ」 律「わ、私かわいくなんかないよ…」 澪「いやかわいいよ。すごくかわいいよ」 律「は、恥ずかしいよ澪ちゃん…」 澪「ふふっ…」ナデナデ 律「うぅ…」 澪「あ、それで律」 律「何?」 澪「その、私と居て楽しいと思うかな…?」 律「澪ちゃんと?うん、とっても楽しいって思うよ。でも…」 澪「でも…?」 律「よくわかんないんだけどね、澪ちゃんと居ると楽しいだけじゃなくてドキドキしたりもするの。私変なのかな?」 澪「わ、私も!」 律「え?」 澪「私も、律といるとドキドキするよ。だから変じゃない…と思う」 律「澪ちゃん…うん!」 ――――― ――――― 律「あ、おはよう!ムギちゃん」 紬「え!?り、りっちゃん?おはよう」 澪「おはようムギ。そうだ律、今朝あげた健康にいい飴、実はムギがくれたんだ。お礼言わないとな」 律「そうなんだ。ありがとう、ムギちゃん」 紬「! どういたしまして。それからありがとう」 律「?」 澪「ほら律、席に戻るぞ。もうすぐ予鈴鳴っちゃうから」 律「え…、もう澪ちゃんと離れちゃうの…?」 澪紬「」ブフォッ 律「ふ、二人とも鼻血!ほら、ティッシュあてて!」 澪「あ、ありがとう律(こ、これは…)」 紬「助かるわ(抜群の破壊力…!)」 唯「おはよー。あれ、三人とも何してるの?」 律「唯ちゃんおはよう。二人とも朝から鼻血出しちゃって大変なんだよ」 唯「りっちゃん?りっちゃんだよね?」 律「え、何…?」 唯「それ新しい遊び?」 律「何が…?」 唯「呼び方。いつもは呼び捨てなのに。あ、そういえば喋り方もちょっと変かなぁ」 律「や、やっぱり変、だよね…あはは」 澪「…!」 唯「うん、やっぱりりっちゃんはいつもの方がキリッとしてていいよ!」 バンッ 律「ひっ…!」 澪「唯、お前はなにも分かっていない…」 唯「み、澪ちゃん?」 澪「律はなぁ!今まで私の為に、私の為にわざわざ口調まで変えて強い自分を演じてきたんだぞ!」 紬(二回言った…) 澪「それを…本来の律の姿をつかまえて『変』だと!?よくそんなことが…!」 律「澪…もういいから。私、確かに変だったから…」 澪「り、律!でもお前は…!」 律「いつも通りだよ。いつも通り…」 澪「…!」ダッ 律「あ…澪…」 唯「ご、ごめんねりっちゃん、私…」 律「ううん。唯は悪くない。な?」 唯「うぅ…りっちゃん…」 紬「…私はさっきまでのりっちゃんの方がいいと思うわ。それより澪ちゃんのところに行ってあげて?」 律「あ…うん、ありがとう。ムギ…ちゃん」ダッ 紬「ふふっ…」 ――――― ――――― 律「澪、こんなところにいたのか」 澪「りつぅ…?」グスン 律「早く戻ろう?予鈴なっちゃったし…」 澪「でも…」 律「唯に悪気は無かったんだしさ、謝ろう?それで全部解決だ」 澪「りつ…」 律「ほら、行くぞ?」 澪「…だ、ダメだ!」 律「自分の非は認めなきゃダメだぞー?」 澪「ち、違う!私はちゃんと唯に謝るよ!でも律は…律は何も間違ったことしてないじゃないか!」 律「私はいいんだよこれで」 澪「いい訳あるか!律は、本当は…!」ガバッ 律「み、みお…?」 澪「…律、私といるとドキドキするって言ったよな…?」 律「あ、ああ…」 澪「それってつまり、私のこと、好きってことでいいのか?」 律「あ…」 澪「私は律のこと、好きだぞ…」 律「みお…う、うん。好きだよ、澪のこと、好きだ」 澪「ありがとう…」チュッ 律「ん…みお…」 澪「…律が本当はすごくかわいいってこと、自覚してもらうからな…」 律「みお…部室でこんなこと…」 澪「りつ…」 ――――― ――――― 澪「ほら、やっぱり律はすごくかわいかったじゃないか…」ナデナデ 律「し、知らない、よ…」カァァ 澪「素直じゃないなぁ…(あれ?そういえば薬の効果…)」ナデナデ 律「うぅ…」 澪「ふふっ…(まぁ…いいか)」ナデナデ 律「でも…」 澪「うん?」 律「二人きりの時なら、あの口調でも…」 澪「! りつぅ!」ギュッ 律「み、澪…ちゃん」 澪「幸せだよ、りつぅ…!」 律「私も…。でも、澪ちゃん」 澪「え?」 律「その代わりに、二人きりの時はりっちゃんって呼んで欲しい…かな」 澪「!!」 律「みおちゃん?」 澪「幸せすぎ…りっちゃん…大好きぃ…!」ギュウ 律「えへへ…」 ――――― ――――― その後のことを話そうと思う。 まず私と律は休み時間になってから教室に戻り(ちなみに二限目まで終わっていた)、そのまま私は唯に謝った。 唯は「私こそごめん」と言いながら許してくれた。 ムギには今回薬を貰ったという大きな恩があったため、とりあえず律と付き合うことになった、とだけ伝えておいた。 「ムギちゃんって呼んでくれないの?」とからかわれた時にはその恩も忘れてしみいそうになったけど。 そうそう、薬の効果についてはまだ試作段階だから短めに調整してある、とのことだった。 多分、律が私を追って部室に来た時には…。 他にも律のかわいさを知ったクラスメイトの熱視線だとか、部活の時間のムギの「メスの匂いがする…」発言だとか、色々大変なこともあったけど…うん、大体こんな感じかな。 じゃあ律が待ってるんで、おしまい。 終わり方が良いな。 -- 名無しさん (2011-03-28 03 29 57) うむ。りっちゃんかわいすぎ -- 名無しさん (2011-10-31 00 56 29) メスの匂いwww -- 名無しさん (2011-12-22 19 56 39) 律「え…、もう澪ちゃんと離れちゃうの…?」澪紬「」ブフォッ この場面なんか和むww -- 名無しさん (2012-01-04 02 57 47) なんだこの澪律すごくいい -- 名無しさん (2012-01-04 02 59 23) むしろ俺が「」ブフォだわwww -- 名無しさん (2012-02-28 07 38 04) 澪紬俺「」ブフォ -- 名無しさん (2012-03-04 11 29 12) 名前 コメント
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最近澪が私を警戒している気がする。 普段はどうってことないんだけどなんかそんな気がする。 特に最近、私が澪の家に泊まったり、澪が私の家に泊まった りすることがめっきりなくなった。 澪がなんだかわからないけどそれを避けるんだ。 そんなある日の出来事だった。 「うわー雨強くなってきた。やっべー」 部活が終わり、いざ帰ろうとなって雨が強まって困る私。 「天気予報で雨っていってただろ。傘もってこなかったのか?」 澪が半分呆れた顔で聞いてくる。 「持ってこなかった!澪ちゃん入れて!」 「はあ…しょうがないな。………あれ?」 鞄の中から傘を出そうとしていた澪の表情が曇る。 「澪?」 「傘…忘れた…」 「マジ?」 「どうしようりつぅ~」 ちなみに唯達はもう帰ってしまっている。今日に限って私が教室 に忘れ物をしてしまったせいだったりする。 「聡に傘もってこさせる」 私は携帯で家に電話してみた。 「………誰もでない…留守かよ…」 「どうする?」 「こうなったら澪の家まで全力疾走だ!!」 「それしかないか…」 私と澪は土砂降りの雨の中を駆け出した。 「ただいま…ぜぇぜぇ」 「おじゃましまっす…はあはあ」 全身ズブ濡れになりながらもなんとか澪の家に到着した。 「あらあらズブ濡れね。風邪ひくからシャワー浴びてきなさい」 澪のお母さんのすすめに従い私達はお風呂場に直行。 「ほーらみおーシャワーだぞ~」 「わぷっこらりつぅ~」 「あはははっ」 澪と一緒にシャワーなんて久しぶりだ。今日の澪は私への警戒感 もないみたいだし楽しくって仕方がなくてついはしゃいじゃった。 シャワーから上がって私は澪の家に置いてあったお泊りセットの 着替えに着替える。このお泊りセットを使うのも久しぶりだな。 澪も部屋着に着替えた。 「ほら澪ー髪乾かしてあげる」 「うん」 私はドライヤーで澪の髪を乾かす。 「澪の髪ってほんと綺麗だよなー」 「ありがと。律ってほんと私の髪好きだよな~」 「うん大好き」 「もっもう馬鹿////」 おーおー照れてる。かわいいね~。 ズブ濡れで体が冷えたあとにシャワーで温まったせいかなんだか 眠くなってしまい澪のベッドに寝っころがる。 「なんだ律眠いのか?」 「うん。」 「しょうがないな。でもなんか私も眠くなってきた。」 「じゃあ澪も一緒に寝ようよ」 私は澪をベッドに引っ張り込んで抱きつく。 「なんだか今日は甘えただな」 「いいじゃんべつに~」 なんかこの感触が久しぶりな気がして…安心して…私は眠りに 落ちた。 目が覚めたらもう夜で晩御飯を澪の家でごちそうになることに なった。 「明日は休みだしりっちゃん今日は泊まっていったら?」 澪のお母さんのこの一言から澪の様子がちょっとおかしくなった。 晩御飯を食べ終えて澪の部屋に戻ってきたんだけど澪がなんか 落ち着かない。 「澪?」 「なっなんだ律?」 「そわそわしてどうかした?」 「なななっなんでもないぞ」 なんでもあるのがモロバレだよ。澪はわかりやすいなあ。 私が泊まるのイヤなのかなあ。だとしたらショックだけど… 私は思い切って聞いてみることにした。 「澪…今日さ…泊まって行ってもいい?」 「え?いやその…」 「イヤ?」 「いっ嫌ってわけじゃないけど…」 「澪さ…最近私のことなんか警戒してるっていうか避けてるよな」 「……」 「お泊りしてくれなくなったよな。なんで?」 「なんでっていうか…その…」 「私と付き合うの嫌になった?やっぱり親友にもど」 「そんなことない!!」 「じゃあなんで?」 「………」 「言いたくない?」 「うぅ…」 「やっぱり私…帰った方がいいのかな」 「………」 澪…困ってるな…。澪を困らせるのが目的じゃないし、私自身も なんか辛くなってきた。 「ごめん、やっぱ帰るわ」 なんだかいたたまれなくなって立ち上がったその時。 「待って!!帰らないで!!」 澪が私を引きとめた。 「ごめん律。そんなんじゃ…そんなんじゃないんだ…」 そういって私に抱きついてくる澪。そして… 「その…律にえっちな事されるんじゃないかと思って…」 予想のはるか上をいくとんでもない発言をしてくれた。 「はい?」 思わず目が点になる私。いや普通なるよなこれ? 「りっ律とはその…お付き合いしてるわけだし…そういうことも」 「はあ」 「でも私達は子供できないし。気持ちいいとかだけでするのも…」 なにこの展開… 「やっやっぱりいけないことだと思うんだ!!」 あーまーなんつーか澪らしいといえば澪らしい考えだなー。 でも… 「私は澪に無理やりえっちなことするのが前提なんだなー」 「しないのか?」 「しねーよ!!」 「ほんとに?律はその…えっちなこととかしたくないんだな?」 なんかものすげー恥ずかしい会話してる気がするけどこの際いいや。 「澪とならえっちなこととかしたいかな」 「やっぱり」 「でも、嫌がる澪に無理やりなんて思わないよ」 「律…」 「確かに子供はできないけどさ。そういうのって好きな人とするも んだろ」 「うん」 「だったら私は澪としたいかな。…その澪以外は考えらんないし」 「りつ…」 「でも澪がしたくないならいい。しないから警戒すんなよ」 「ごめん」 「そんなんでお泊りが減ったりする方がその…さびしーし」 何かさすがに恥ずかしくなってきた。私は思わず澪から目を逸らす。 「うん…ごめん…ごめんな律。今日は…泊まって行って」 澪の私を抱き締める腕に力がこもる。 「MMQ!!」 「もう…ばか」 いやこれは萌えるでしょどう考えても。 「みーお」 私は澪にキスをする。 「りーつ」 澪も私にキスを返してくれる。 やっぱり澪とこうしていられると幸せだなあ。変な誤解?も解けたし これからはまた澪といっぱい一緒に… 「りつ…えっちなことしちゃおっか?」 「え?」 澪の爆弾発言にまたもや目が点になる。でも、ここは私がしっかりし なきゃ。 「澪、えっちなことは嫌なんだろ。無理する必要ないぞ」 「ううん、律が言ったとおり好きな人同士がすることなら…」 「澪…」 「りつなら…りつとならいいかなって…」 「みお…」 「恥ずかしい…」 澪がすごく愛しい…愛しくって愛しくってたまらない。こんなの止 まれないよ。 「みーお」 「りつぅ」 「「だいすき」」 翌朝、澪のベッドで目が覚める。澪はまだ眠ってるようだ。 澪が起きるまで私はずっと澪の寝顔を見ていた。 「ん…おはよ。りつ」 「おはよう澪」 澪が目を覚まして朝のあいさつをする。そして澪と目があう。 なんだが少し照れくさい。でもそれもなんか楽しい。 やっぱりさ、寝るまで澪と一緒で目が覚めても隣に澪がいるって いいなって思う。これで澪のあの変な警戒感もなくなっただろうし これからも… 「みおっ!これからもたくさんお泊り会しような!!」 「え?あ、いや、その……………………………うん///」 かわいいやつめ。 さて今日は昨日とは打って変わっていい天気だし今日一日澪と何 して遊ぼっかな。 まあ澪となら何しても楽しいだろうけどな! これいいw好き -- 名無しさん (2012-05-09 00 42 55) 名前 コメント
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投稿日:2010/11/12(金) 01 04 30 あれ?化学って宿題出てたかな? 土曜の夕方、そんなことが気になって私は電話を取る 普通に考えたら和やムギに聞くのが賢明なんだけど なぜか私が選択したのはあいつの番号 でも律が覚えてるわけないかな・・・ そんな嫌味を思い浮かべながら呼び出し音を聞いていると 10回くらいでその音は 睡魔を押しのけ絞り出したような声に変わった 「おはよぉみおー」 なんだよ、寝てたんだな。のんきなもんだよホントに 私が困っているって時に・・・とりあえず何してたかを聞いてみたら 「んー。唯んちで寝てた」 唯も一緒か。たまの休日でも二人は休むことなく遊びに熱中する その熱意を然るべきものに向ければ一定以上の結果を出せるのに 二人とも宝の持ち腐れだよな。 この状態の律に宿題の有無を聞いても打てども響かずになるだろう 適当に罵声を浴びせ電話を切り、 少し落ち着くと・・・しめしめと湧き出してくるよからぬ感情 「唯の部屋で・・・か」 なにもいわゆる「アレ」な関係ってわけじゃない、普通の仲のいい友達同士じゃないか。 今私が考えているあんなことやこんなことをするわけないじゃないか でもダメなんだな、一度マイナスに考え出すとそれは抑制の効かない嫉妬へと変貌する どうしようもない嫉妬心とアレな妄想で混乱しはじめたとき、私の電話が唯からの着信を伝える 「こんなときにいい度胸だな!!」 なんて言いそうになったのはここだけの話、できるだけ平静を装い私は電話に出る 「もしもし澪ちゃん?あのさ・・・」 ―――――――――――――――――――――――――― 私が律の体を支えながら唯の家を後にするこの状況 説明しないと一体なにがあったんだと誰もが混乱するような状況だが、なんのことない 私のベッドで寝たまま起きる気配のないりっちゃんをなんとかしとくれ澪ちゃんや といった内容の電話を唯がかけてきただけの話。 なんで私なんだよ!といったツッコミはそのときの嫉妬の嵐が渦巻くかのような精神状態からは生まれず 依頼に素直に従い、律を無理やり叩き起こして回収した。 正直嫌だった 律がその無邪気な寝顔を、私以外の人間に見せること 授業中に寝たり、合宿や修学旅行の就寝時であれば その寝顔が周囲に晒されることになろうとも、我慢することは容易だった しかし唯と二人きり・・・この状況はまったく別物だろ? 唯がちょっとでもアクティブだったら・・・まったく失礼なこと考えるな私 この状況に対する面倒くさいという気持ち、嫉妬を含んだ複雑な気持ち、今律が横にいる安心感 数々の気持ちが渦巻く中でふと横を見る そこにあったのは、初めて出会ったときの無邪気さを残した律の表情だった ドス黒い感情が全て吹き飛び、ただ笑顔をこぼしてしまった私は いったいどれだけ律のことが好きなんだか・・・それは全知全能の神にだって計れぬことだろう 名前 コメント
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澪「りつ最近牛乳ばかり飲んでないか?」 律「っへ!?い、いやー背を伸ばそうかなーと思ってははは…」 澪「? なんで今頃?というか流石に成長期終わってるし今からじゃそんなに伸びないと思うぞ」 律「い、いーんだよ!!それに私牛乳好きだし、ほらそれより借りてきたDVDでも見ようぜ」 澪「あ、うん(何焦ってるんだろ?…ん?ベッドの下にから本がはみ出してる?)」 澪「りつーこの本なーに」 律「あ、待っt」 澪「えーと?これであなたの胸も大きくなる!!胸を大きくする100の方法…」 律「あ…」 澪「…っぷ」 澪「あはは!あはははは!!律が胸を大きくする方法ってあははは!!」 律「……」ジワ 澪「あはは!!な、なんだ律ったらこんな本買っちゃうほど胸の大きさなんて気にし…え?」 律「う、うぇえええん…」ポロポロ 澪「え?え?律?」アタフタ 律「うわぁぁぁああん」ポロポロ 澪「ご、ごめん律、そ、そんなに気にしてたとは思わなくて…その」アタフタ 律「うぅ…」ポロポロ 澪「え、えとそのごめん、本当にごめんなりつ」ギュウ 律「……」ピタ 澪「…泣き止んだ?」 律「…泣いてねーし」ギュ 澪「いや思いっきり泣いてただろ…」 律「……」 澪「そ、その胸だけど、そ、そんな気にする事でも無いと思うぞ」 澪「大きくても男の人とかに見られるのやだし、運動とかもしにくいし…」 澪「だから律も胸の事くらいでそんなに悩まなくてもいーんじゃないかなーって」 律「…澪のためだよ」 澪「へ?わたし?」 律「私さあ…澪のこの胸大好きだよ」 澪「なっ///い、いきなり何言い出すんだ///」 律「すごく温かくて柔らかくてふわふわしてきもちーし今こうやって抱きついてる時も包まれてるみたいですごく安心できる…」 澪「え、えと///」 律「だけどさ…私の胸小さいから澪はこの気持ち味わえないんだろうなーって」 澪「……」 律「なんか私ばかり良い思いしちゃってるんじゃないかって、澪にその…申し訳なくなっちゃって」 澪「…バカだな律は」 律「……バカとはなんだ」 澪「確かに律の胸は、その、あまり大きいとは言えないけど…」 澪「それでもわたしは律の胸大好きだよ」 律「……」 澪「小さくてすごく可愛くて、触るだけで、ああこれが律の胸なんだなー私幸せだなーって」 律「……」 澪「大きさなんて関係ないだろ?その、えっと大好きな人の胸だから大好きなんだよ///」 律「……うん、そーだな」 澪「ふふ…まったくこんな事で悩んじゃうなんてな…だけど、私のためにありがとう律」 律「うっ…うっさい!」 澪「…ねえ律、今誰もいないよね」 律「聡は友達んところだし、父さんと母さんもしばらく帰ってこないな」 澪「そっか…ベッド行こうか」 律「…澪しゃんのえっち」 終わり りっちゃんかわいい!! -- 名無しさん (2012-06-22 06 19 14) 名前 コメント